ヨガを深めたい!『ヨーガスートラ』を読み解く3つのコツとは?

ヨガ哲学本といえば、まずは『ヨーガスートラ』ですよね。
ヨガインストラクターなら、指導者養成講座で必ず勉強するはずです。
和訳本も、たくさん出版されていますが…


…難しい…ですよね⁉

「じつのところ、よく解らなかった」
「わからなすぎて、完読できない」
「読んでいたら、眠っちゃった…」
そんなインストラクターさんも、いらっしゃるのではないでしょうか?

かくいう私も、そうでした。
そこで、何冊も本を取り寄せては読み、講座でも勉強しました。
その結果、わかったことがあります。
「『ヨーガスートラ』の和訳」が、ややこしいのです。

今日は、2010年からヨガ指導をしており、E-RYT500保持者で、継続教育提供者(YACEP)の私が、試行錯誤の末につかんだ『ヨーガスートラ』を読み解く3つのコツを紹介します!

キーワードをサンスクリット音のまま覚えるべし

そもそも『ヨーガ・スートラ』はインド思想の教典です。
現代日本人にはピンとこない話題が満載です。
さらに、 ヨガに独特な概念の翻訳において、漢語・仏教用語があてられたり、意訳されています。
そのうえ、本ごとに異なる訳語で記されています。
私たち学習者は、何重にも惑わされて、まるで森のなかで、迷子になったような気分になります。

『ヨーガ・スートラ』の森で迷子になったあなたに、脱出のコツの第1番目をお伝えしましょう。
それは、「キーワードはサンスクリットの音(おん)で覚える」ことです

例えば、 『ヨーガ・スートラ』第1章2節です。

ヨーガス チッタブルッティ ニローダハ

『やさしく学ぶヨガ哲学 ヨーガスートラ』

ヨーガとは心の活動を一時的に停止させることである

世界の名著1『バラモン教典・原始仏典』

まず、キーワードである「チッタブルッティ」は、「チッタ・ブルッティ」というサンスクリット音のまま、覚えます。
そして、意味は「心の活動」と理解しましょう。
例えば、「コンサルティング」というような外来語を覚えるのと同じ要領です。
音と意味をセットで覚え理解します。

そして、次の節へと読み進めます。
すると、また「チッタ」や「ブルッティ」に出会います。
「心」や「心の活動」関連のトピックだとすぐに分かります。
読み進めるのがスムーズになります。

英語学習で、単語を覚えれば覚えるほど、長文読解がスムーズになるのと同じです。

この要領で、サンスクリット音のヨガ用語をひとつずつ覚え、語彙力を高めます。

なお、「チッタ・ブルッティ」のサンスクリット語の音は世界共通ですから、今後、海外のヨギーと交流するときに役立ちますね。

「拾い読み」で、展開を大まかにとらえるべし 

次に、『ヨーガ・スートラ』での迷子から脱出する、2番目のコツをお話しします。
それは、 「キーワードと関係が深い節を拾い読みする」 ことです!

キーワードから次のキーワードへ、すごろくのコマのごとく読み進めていきましょう。

ヨガ哲学の初心者さんは、必要な知識を整理しながら骨子をつかむことを優先させます。

重要なキーワードをサンスクリット音と意味をセットで覚えたら、関連する節(フレーズ)を読み進めます。
もしも、意味が通らない節が出てきたら、そこはいったん保留。
先に進みます。
まずは今、理解できた知識だけを活用して読み進めていきましょう。

あくまで『ヨーガ・スートラ』の本文-サンスクリット音をアルファベットやカタカナで記したもの-と、対訳だけを読みます。
著者による解説文は、最初のうちは「迷子」の原因になることが多いです。
いったんスキップさせてもらって、次の節へと移りましょう。

いつかきっと、『ヨーガ・スートラ』の全てを読むことになるでしょう。
まるごと暗唱することさえ、可能になるかもしれません。
ですが今は、ぐっとこらえて、「重要キーワード関連部分の拾い読み」に徹し、 骨子をとらえましょう。

先輩ヨギーを活用!必要な知識を絞るべし

さあ、「ヨガ哲学の森」の迷子から脱出する、最後のコツです。
それは、「ヨガの先輩のガイドに頼る」ことです!

『ヨーガ・スートラ』の本は、専門家が正確を期して、万人に向けて記したものです。
聖典でもありますから、「この節は重要」。「この節は盛りすぎ」。「この節は覚えなくても大丈夫」。などと、記されるはずもありません。

したがって、初めての人は、キーワードや詩節の重要度が分からず、仕方なく最初から順番に読んでいくことになります。

しかし、そのやり方では、ヨガ指導に必要な知識の整理・理解にたどり着くまでに相当な時間がかかってしまいます。
道筋を示してくれる「ガイド役」が必要です。

ガイド役は、ヨガの先輩がよいでしょう。
その先輩が、自分と同じ立場だったら、なお良しです。
例えば、あなたが日本語で指導するヨガインストラクターで「ヨガ哲学を学んで指導に自信をもちたい」のでしたら、日本人へのヨガ指導を得意にしている先輩に習います。

どの語句をレッスンの組み立てに反映させるべきか。
その重要語句が含まれている節はどれか。
他の重要語句との因果関係はどうか。
日本人には共感できない概念、つまり指導で避けるべきワードは何か。
効率よく、わかりやすいガイドをしてくれる先輩を見つけてください。

また、ヨガ指導者養成講座でのヨガ哲学のレジメを見直してみるとよいでしょう。
じつは、一度はシンプルに理解していたのに、『ヨーガ・スートラ』の本を読んで、知識を整理できずに混乱し迷子になる、というケースもあるんですよ。

今すぐ『ヨーガ・スートラ』を手に取ろう!

いかがでしたでか?
ヨガ哲学の森を、楽しく歩いていけそうでしょうか。
『ヨーガ・スートラ』をわかりやすくするコツは、以下の3つです。

  1. キーワードはサンスクリット語の音で覚える
  2. キーワードと関係が深い節を拾い読みする
  3. ひとりで読まず、先輩のガイドを頼る

最終的には、『ヨーガ・スートラ』の全てが明らかになることでしょう。
大変価値のあるヨガ哲学本だと思います。
だからこそ、途中で投げ出すことなく、効率よく段階的に勉強していきましょう!


ヨガ哲学の初心者さんは、
「今まで知らなかった新しい概念を勉強している」
「最初から全部を読まなくてもよい」
「今、必要なところだけ理解すればよい」。
そんなふうに、ハードルを低くして、スタートしましょう。

『ヨーガ・スートラ』が、 あなたのヨガライフに、 明るさ・軽やかさ・透明感をもたらしてくれますように。

参考文献

  • 『世界の名著1バラモン教典 原始仏典』中央公論社 (1969/5/30)
  • 『解説ヨーガ・スートラ』佐保田鶴治 著 平川出版社(1983/8/10)
  • 『やさしく学ぶヨガ哲学 ヨーガスートラ』 向田みお著 アンダーザライトヨガスクールYOGA BOOKS (2015/3/1)