「ヨーガスートラ」全文掲載のおすすめ本は、この5冊!

ヨガ哲学入門書『ヨーガスートラ』全文掲載のおススメ本はこの5冊!

ヨガ哲学をやさしく効率よく学びたいならば、まずは『ヨーガスートラ』から読み始めるのが正解です。
なぜならば、ヨガの定義・実践方法を明快に提示した最初の教典が、『ヨーガスートラ』だからです。
また、『ヨーガスートラ』は、成立が5-6世紀と古く、8-11世紀に形成されたハタヨーガの理論的な礎となっています。
そして現代で私たちが一般的に行っているヨガも、ハタヨーガの範囲に収まります。
『ヨーガスートラ』は、ヨガのコンセプトや実践方法をブレることなく今に伝える、中核的書物なのです。

したがって、ヨガ哲学を学ぶ人はまず、『ヨーガスートラ』の本を一冊、手に入れたいところです。
最初は、全文195節が掲載された本がおススメです。

今日は、2010年からヨガ指導をしている私が、おすすめの『ヨーガスートラ』の本を紹介します。
僭越ながら、ヨガ哲学が理解できるという意味での「わかりやすさ」と、手元におくうえでの総合的な「おすすめ度」を☆の数で表現してみました。
参考にしていただけると幸いです。

詠唱できる画期的な一冊

『やさしく学ぶヨガ哲学 ヨーガスートラ』
向井田みお
Under The Light Yoga School (アンダーザライト ヨガスクール)他
2015/3/15
¥2,420

わかりやすさ:★★★☆☆
おすすめ度 :★★★★★

向井田先生のこの著書は、カタカナでサンスクリット音が表記された点で、非常に画期的でした。
ポッドキャストで先生ご自身による詠唱が公開されており、本場インドと同じように、声に出して唱えて学ぶことができます。
また、文節ごとに区切って逐語訳を提示しているのも親切です。

先生自身は、東京・代々木のヨガスクールUNDER THE LIGHT YOGA SCHOOLで哲学クラスを担当しており、実際に講義に参加する機会があるという点で、この本を手に取るメリットは十分。
ちなみに、私も先生からヨガ哲学を学んだ一人です。

訳文・解説はつとめて平易な和語を選んでいるため、意訳的でフンワリしている印象。
初学者へのやさしさがかえって「ヨーガスートラのヨガ」の理解を難しくしている点が惜しいです。

東洋哲学の権威による学術書

『ヨーガとサーンキヤの思想―インド六派哲学 中村元選集 決定版』
中村 元
春秋社
1996/9/1
¥7,700

わかりやすさ:★★★★★
おすすめ度 :★★★☆☆

東洋思想の中村 元(はじめ)博士による研究書です。
ヨーガ学派の『ヨーガスートラ』の全訳・解説と、ヨーガ全般の考察がメインです。
そして、ヨーガ学派の姉妹哲学とも呼ばれるサーンキヤ学派についても考察されています。
なんといっても秀逸なのが、ヴャーサの註釈書までもが、全訳で付記されていることです。
詩節で構成され、論理が難解な『ヨーガスートラ』は註釈書が必須。
しかし、多くの『ヨーガスートラ』の書籍では、この註釈部分は要約か、著者の解説で補われているだけです。
したがって、ヨーガスートラの意味的側面をコンプリートできるという点で、この一冊は大変貴重です。
さらに、索引が充実しており、単語の逆引きも可能になっています。
キーワードは、アルファベットでサンスクリット音を添えてあり、ヨガ哲学用語習得に便利。

私にとって、最も参照頻度が高く、ヨガ哲学への理解を飛躍的に推し進めてくれた書です。
学術的でありながら、訳文・語り口はやさしく丁寧な印象。
ただし、お値段がお高く気軽にどうぞ、とはおススメできないのが難点。
ヨガ指導者であれば、図書館で借りるなどして、一度は触れていただきたいです。

新装版はAmazonベストセラー!

『インテグラル・ヨーガ (パタンジャリのヨーガ・スートラ)』
スワミ・サッチダーナンダ (著)
伊藤 久子 (翻訳)
‎ めるくまーる
1993/12/1
¥2,420

わかりやすさ:★★★☆☆
おすすめ度 :★★★★★

インドのヨガマスターであり、宗教指導者でもあるスワミ・サッチダーナンダ氏の講話がもとになっています。
ヨーガ・スートラ全文をサンスクリット音のローマ字表記、簡潔で平易な日本語訳、著者の解説部分から構成されています。
詠唱したい人にもおススメの本となっています。
新装版は、本文のテーヴァナーガリー(サンスクリット文字)の併記も追加。
Amazonのヨーガカテゴリーで第1位のベストセラーになっています(執筆当時)。

著者がインドの宗教家であり、弟子にむけてのアドバイスとしての語りが解説部分にあたります。
日本人がヨガ哲学を理解するための教科書としての機能は、やや弱いと感じます。
ただし、日本語訳・値段ともにバランスがよく、Amazonベストセラーも納得です。
私も、最初の一冊はヨガスクールの指定により、こちら(旧版)でした。

学者・実践者による指南書

『解説ヨーガ・スートラ』
佐保田 鶴治
平河出版社
1983/8/1
\1,980

わかりやすさ:★★★☆☆
おすすめ度 :★★★★☆

インド哲学者であり、ハタヨーガ実践者でもあった佐保田 鶴治(さぼた つるじ)氏。
ヨーガスートラ全文の日本語訳と、著者の実践をふまえての考察から構成されています。
索引つきで逆引きができ、キーワードにはサンスクリット音をアルファベットで表記されています。

サンスクリット訳語に頻回に仏教用語をあてており、難しい印象を受けます。
著者の研究者・実践者の2つの視点の境界線を推察しながら、考察・解説部分を読み進める必要があります。
他の書籍で通りが悪い詩節と出会ったとき、佐保田氏の著書を参照すると、日本人の実践者としてスッキリと考察されていて、なるほどと思わせてくれます。
初版が1980年発行で息長く支持されており、ボリューム・お値段など総合的にバランスもよく、日本人ヨギーとして本棚に加えておきたい硬派な一冊。

アシュタンガヨギーによる意欲作

『現代人のためのヨーガ・スートラ』
グレゴール・メーレ (著)
伊藤 雅之 (監訳), 加野 敬子 (翻訳)
産調出版
2009/6/20
¥3,080

わかりやすさ:★★☆☆☆
おすすめ度 :★★★☆☆

アシュタンガ・ヨーガ・ヴィンヤサシステムの実践者の著者による、同流派の実践者に向けて書かれた著作のうち、後半の哲学部門を翻訳したものです。
全195節の日本語訳と、伝統的な註釈書・若干背景の異なる他思想の教典から引用された解説に、著者独自の解釈を織り交ぜて論を展開していきます。
「現代人のための」というタイトルだけあって、西洋科学や日常生活での事例を引き合いにすることも。

基本的なヨガ哲学用語への説明部分が少なく、ある程度ヨガ哲学の予備知識がある人向けです。
他の書籍と組み合わせて学習するとよいでしょう。
古今東西さまざまな事物を例にとり解説しており、それが私とは相性が合わなかったようです。
教養レベルが高い人なら大丈夫かもしれません。
しかしながら、全スートラについて解説で論じており、著者の長年のヨガ的探究・実践が結集された意欲作です。
時間をおいて、再びチャレンジしてみたい本です。

まとめ|ヨガ哲学との幸せな出会いを願って

いかがでしたか?
あなたの一冊が、見つかったでしょうか?

最後に、『ヨーガスートラ』を学ぶコツをお伝えします。
まずは全195章をできる限り学術的に正しく読んでいきましょう。
そのためには、ヨガ哲学の基本用語はある程度身に着けておく必要があります。
そのうえで、著者の解釈を読み進め、共感できる知識は取り入れていくとよいでしょう。

なお、『ヨーガスートラ』のなかでも成立年代が古いのは第2章といわれています。
しかも体系的に編集されていて頭に入りやすく、ヨガの実践面でも重要な部分にあたります。
第2章から読み始めるとわかりやすいですよ。
詳しくは 初心者でもヨガ哲学が圧倒的にわかりやすくなる学び方とは? の記事をご覧ください。

それでは、お気に入りの一冊を友として、ヨガの旅を幸せに続けていかれることを願っています。