コロナ禍でフリーランスのヨガインストラクターはどう働くべき?
2020年、ヨガ業界も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けました。
レッスンのオンライン化やスタジオ閉店・規模縮小などが相次ぎました。
フリーランスのヨガインストラクターにとって、これは死活問題です。
けれど、一生のシゴトとして選んだヨガの道を、簡単にあきらめたくないですね。
今日は、コロナ危機をどのように乗り越えればいいのか、一緒に考えてみましょう!
コロナ禍での活動例|フリーランスのヨガ講師(47)の場合
まず、指導11年目、フリーのヨガインストラクター・個人事業主として活動している私のケースを紹介します。
2019年の時点で、ヨガスタジオの業務委託レッスン、顧客と直接取引のレッスンなど合計で週に8~9レッスンを担当していました。
2020年の緊急事態宣言でオンライン化
2020年春の緊急事態宣言をうけて、ヨガスタジオや公共施設がお休みに。
個人的に依頼されていたレッスンもほとんどなくなりました。
この間、レッスンのオンライン化や動画作成に取り組みました。
そして、プライベートの産前産後ヨガオンラインレッスンを事業化させました。
緊急事態宣言明け、対面レッスン再開も…
2020年初夏、スタジオが業務を再開したものの、集客面ではかなりの痛手。
全てのクラスで人数制限が行われ、休会するお客様もいらっしゃいました。
収入は、報酬がインセンティブ制のスタジオで減収、固定制のスタジオからは一律30%減給の通告を受けました。
コロナ前と同じクオリティのレッスンをし、消毒換気など追加作業をこなしながら、収入はダウン。
しかし、まだ指導機会があることに感謝しつつ、状況を見守ることにしました。
夏から秋にかけて、オンライン事業にクライアントがつき始めました。
2020年冬頃は、対面レッスン・オンラインレッスン・プライベートレッスンと、忙しく過ごしていました。
2020年売上は前年比75%、さらに…
2020年の事業売上は、2019年の75%で踏みとどまりました。
持続化給付金はありがたく頂戴しました。
ところが年明けすぐに緊急事態宣言が発令。
神奈川県の医療体制が悪化したことをうけて、顧客と直接取引のレッスンのほとんどをお休みにしました。
その結果、2021年1-3月期の売上は、2019年の同時期の50%となってしまいました。
2021年春、いまだ状況は改善しません。
先行き不透明な状態が続いています。
しかし私はヨガ事業を継続させるつもりです。
むしろ「5年後もこのシゴトに全力投球できるか?」と自分に問いかけながら、整理を進めています。
「アフターコロナでは、必ずヨガが必要とされる」と予想しているからです。
アフターコロナ、ヨガ業界はどうなるのか?
未来に目を向けてみましょう。
私は、アフターコロナの世界は、健康意識がより高まり、フィットネス・メンタルヘルス分野は活性化するとみています。
コロナ禍を経験したことで、私たちの健康に関する情報を適切に利用する力「ヘルスリテラシー」は各段に高まっているはずです。
つまり、アフターコロナは、お客様の「目が肥える」とみています。
「ヨガは健康に良さそう」「ヨガならできそう」というような、「イメージ」だけでヨガが選ばれる時代は完全に終わる、もしくはもう終わっていると、私は考えています。
アフターコロナでヨガ業界が息を吹き返すためには、「目の肥えた」お客様にヨガを選んでいただかなくてはいけません。
そのためには、ヨガ業界に多様性があり、健全であること、指導者が知識と指導技術のアップデートをしっかり行っていることが大事だと思います。
コロナ影響下でヨガインストラクターは、どう働くべきか?
まず、人生であと何年、ヨガの仕事をするのか考えてみましょう。
そして今、月々の生活に必要なお金と、今後数年間で必要になるお金を精査してみます。
最後に、自分の力で収入を補う方法があるか検討します。
例えば、屋外でのヨガ、オンラインヨガを増やしてみたり、記事執筆など、もともとあったスキルをヨガと関連づけてみる、という方法が考えられます。
そのうえで、 今、ヨガの仕事だけでは苦しいのであれば、一時的なダブルワークを考えてみてもよいでしょう。
もしもゆとりがあるのなら、withコロナの期間を「じぶん磨き」、つまりスキルアップにあてるとよいでしょう。
フリーランスならではの柔軟な働き方を
フリーランス・個人事業主でも、事業外で給与所得を得ることは可能です。
コロナの影響が強い数年間だけ、働き方を変えるのもひとつの手です。
私は一時期、ダブルワークをしていました。
今、その経験がとても役に立っています。
例えば、帳簿つけや確定申告などの事務作業がサクサク終わるようになりました。
文章で情報発信する習慣も身に付きました。
ヨガインストラクターとしてのキャリアのうちの数年間を乗り切る方策として、ダブルワークは現実的な選択といえるでしょう。
withコロナを「じぶん磨き」にあてる
もしもゆとりがあるのならば、 コロナ禍で空いた時間を有効活用すべく、 ヨガ指導者としてさらなるスキルアップをはかりましょう。
では、具体的にどんなスキルをどのようにして磨いていけばよいのでしょうか。
ヨガレッスンへの「即戦力」を磨く
まずは「即戦力」です。
「今日、レッスンしてくれませんか?」
というような、突然の代講依頼に応えられるようにスタンバイしましょう。
突然のオファーがレギュラーレッスンにつながることもあります。
また、オーディションで「すぐに現場に出られる人」という印象をもたれると、より採用されやすいように感じています。
「即戦力」を磨くには、準備し、練習し、指導し、振り返り、改良・改善していくほかありません。
レッスンをする機会が少ない場合は、家族や親しい友人に協力してもらい、積極的に指導しましょう。
オンラインレッスンも同様にスタンバイです。
スムーズな機器操作はもちろん、映える、伝わる方法を追求してください。
インストラクターとしての「集客力」を磨く
次に、「集客力」です。
「集客」は、ヨガの仕事をするうえで絶対に避けられない課題です。
数字は嘘をつきません。
悪いときこそ誠実に向き合います。
お客様のニーズについて、再考しましょう。
インストラクターの指導内容・スタイル・人柄と、開催場所・日時・費用とが合わさり、クラスの魅力になります。
それらがニーズとマッチして、お客様の満足につながります。
また、経営側と一丸となって、魅力的なクラスを創り出す企画力も大事です。
自分が何が得意で、それをどう活用すれば経営に貢献できるのか、自己PRを頭の中を整理しておきましょう。
さらに、ヨガはサービス業と再認識しましょう。
レッスンでお客様に満足や感動を味わっていただけていますか?
お迎えからお見送りまでの接客態度を振り返り、見直してみるのもよいでしょう。
SNSのスキルもまた、集客の助けになると思います。
Instagramなどは、まさにセルフプロデュースの世界です。
ただし、それ自体が目的にならないよう気を付けましょう。
指導力はもちろん、個性があり、ブレない先生は集客が得意です。
「商品としての自分の価値」を客観的に分析する視点を育みましょう。
ヨガ指導の「専門性」を磨く
この機会に、 ヨガのスペシャリティを高めるのもよいですね。
例えば、産後ヨガ・マタニティヨガ・陰ヨガ・シニアヨガ・リストラティブヨガ・生理解剖学・ヨガ哲学・アドバンスアーサナなど、RYT200修了だけではカバーできない分野が、ヨガにはいくつもあります。
このような専門分野は、新しい仕事につながる可能性が高くなります。
例えば、産後ヨガ・キッズヨガに即応できる先生は少なく、代講を受けると非常に感謝されます。
また「妊婦さん参加OKのリラックス系レッスンをしてください」というリクエストもよく耳にします。
スペシャリティはそのままヨガの先生としての個性になります。
もし自分の個性や方向性に合っている分野があれば、養成講座を受講するのもいいですね。
まとめ:コロナ禍の今こそ、ヨガインストラクターは柔軟性を発揮して
今日は、コロナ禍、ヨガインストラクターがどのように活動すればよいかを考えてみました。
- お金・年齢の問題を見極める
- ヨガ事業で収入を補えるか検討する
- 一時的なダブルワークで機会をうかがう
- スキルアップ期間にあてる
いかがでしたか?
私は今回、文章に起こすことで改めて、個人事業主はアタマの柔軟性・決断力・フットワークの軽さが大事だな、と確認しました。
先が読めない状況のなか、正解はひとりひとり違います。
気持ちが少しでも明るい方へ、光ある方へと向きますように。
今はただ、水のなかを泳ぐ魚のように、進める道を縫うようにゆくのみ。
人生からヨガがなくなってしまうわけではありません。
柔軟に乗り越え、進化しましょう。
依田今日子 Yoda Kyoko
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