「ヨガ八支則」の覚え方 中級編|チャンティング(詠唱)に挑戦!

『ヨーガスートラ』のなかでも大切な教え「ヨガ八支則」。
「ヨガ八支則」とは、八部門からなるヨガ修行システムのこと。
出典はヨーガ学派の教典『ヨーガスートラ』。
オリジナルはサンスクリット語です。
「ヨガ八支則」は、第2章28節で「ヨーガ アンガ」、続く29節で「アシュターンガ」と表現されます。
日本語では、「ヨガ八支則」「アシュターンガ・ヨーガ」「ヨーガの八部門」「ヨーガの八実修法」「八階梯のヨーガ」などと訳されます。
英語では、”The Ashtanga Yoga of Patanjali” “The Eight Limbs of Yoga”といったところでしょうか。
この「ヨガ八支則」は全部で18項目あり、完璧に覚えるには、やはり勉強が必要です。
「最短で覚えたい」という人のために、前回の記事 1日5分、ポイントはたった4つ!「ヨガ八支則」の覚え方・初級編 で、効率の良い記憶方法を紹介しました。
今回は、時間をかけてじっくりと「ヨガ八支則」を学びたい人向けの方法を紹介します。
独学でヨガ哲学、特に『ヨーガスートラ』を学びたい人にも、おススメの方法です。
「ヨガ八支則」をチャンティング(詠唱)で覚える!
「ヨガ八支則」の本来の勉強方法は、チャンティング、つまり詠唱
(えいしょう) です。
『ヨーガスートラ』オリジナルのサンスクリット語で、独特の節を付けて唱え、それを一節ずつ覚える方法です。
本場インドでは、幼いころから詠唱し、『ヨーガスートラ』の教えを頭と身体に染み込ませるように覚えるのだそうです。
しかし、そのような環境になくても、ヨガ哲学をチャンティングで学ぶことができるんです!
次の章から、私が自宅で勉強している方法を紹介しますね。
「ヨガ八支則」を詠唱で覚える!具体的な練習方法とは
まず、 「ヨガ八支則」の全18項目をザっと頭にいれましょう。
必ず、サンスクリット音と日本語訳と意味をセットにして記憶します。
次に、『ヨーガスートラ』の本を用意します。
サンスクリットの発音がカタカナやアルファベットで表記されているものにします。
さらに、『ヨーガスートラ』のサンスクリット詠唱のお手本となる音源を用意します。
さあ、いよいよチャンティングです。
姿勢を正し、呼吸を整えましょう。
お手本を聞き、本を見ながら、1節ずつ詠唱します。
本を見ながら詠唱できるようなったら、本を伏せて唱えられるかどうか、試しましょう。
1節分の全体的なリズム・フレーズが頭に入ったら、次の節へ。
これを繰り返します。
その後は、 何日間かかけて、細かい発音も再現しながら、反復練習します。
「ヨガ八支則」に対応する『ヨーガスートラ』の章・節は、第2章29節・30節・32節の、たった3節です。
3節なら、忙しい人でも覚えられそうですね。
「ヨガ八支則」学習にチャンティングがおススメな理由
「ヨガ八支則」の学習にチャンティングをおススメする理由は3つ。
1つめは、サンスクリットを声に出して唱える、というのがインド伝統の学習方法だからです。
日本語訳は時代や著作によって変化しますが、『ヨーガスートラ』オリジナルのサンスクリットは伝統的なもので、今後も不変です。
サンスクリットでの詠唱は、世界共通の「ヨガの教えの核」を手に入れることです。
今後、海外でヨガを学びたいと考えている人にも役立ちます。
ぜひ「ヨガ八支則」部分だけでも、詠唱にトライしてみてください。
2つめは、詠唱の独特の音階や節回しが、記憶の定着を強力に助けてくれるから。
言葉の羅列で唱えるよりも、歌詞のようにリズミカルに唱えるほうが、覚えやすいはずです。
一度覚えてしまうと、自然に口について出てくるようになるでしょう。
そして3つめは、詠唱で覚える方法が、『ヨーガスートラ』 で提唱される「スワディヤーヤ(聖典読誦)」にあたるからです。
詠唱に集中していると、日々の心配事から完全に切り離され、スッキリした気持ちになります。
「ヨガ八支則」を学びつつ、詠唱で心も静まる。
良い意味で一石二鳥の方法なのです。
ところで、「サンスクリットは正しい発音で唱えないとダメ、パワーが落ちる」などの表現に時々遭遇します。
これはどう考えたらよいでしょうか?
私は、気にしません。
自分の耳で聞ききとり、再現した発音で十分だと思います。
もちろん正しい発音で学べたら、それがベストです。
しかし、発音に囚われすぎて学びを止めたり、本来の目的を忘れたりしては本末転倒。
ヨガ八支則の「意味」にこそ、パワーが宿っているのです。
その「意味」を自分の知識として定着させ、実践し、恩恵を受けることが大切です。
『ヨーガスートラ』 チャンティングにおすすめの教材は?
『ヨーガスートラ』の本はコレ!
日本語訳だけの『ヨーガスートラ』の本では、詠唱できません。
サンスクリット音がカタカナで表記されている、向井田みお先生の著作が良いでしょう。
- 『やさしく学ぶヨガ哲学 ヨーガスートラ』 向井田みお 著 アンダーザライトヨガスクールYOGA BOOKS (2015/3/1 ) →Amazon
- 『 声にだして学ぶヨーガスートラ 』 向井田みお 訳 アンダーザライトヨガスクールYOGA BOOKS (2015/9/1 )
『ヨーガスートラ』チャンティング音源はコレ!
詠唱を専門の先生に直接教えてもらうのは、コロナ禍の今、ハードルが高いかもしれません。
ポッドキャストや、YouTubeを活用してみてはいかがでしょうか。
ヨーガスートラ詠唱をポッドキャストで聴く
- 向田みおのインドで学んだマントラ
章ごとの全詩詠唱、10節ごとの日本語解説つき詠唱があります。 - ヨガを伝えることば | The Language of Yoga
1節ずつの詠唱と、解説。おしゃれなラジオ番組のような趣。
ヨーガスートラ詠唱をYouTubeで聴く
- Complete Patanjali Yoga Sutras Chant with Meanings
ローマ字でのサンスクリット音と、英訳の動画つき。今、どの章を唱えているかが分かります。男性の声。約27分30秒。 - Patanjâli Yoga Sutra Teaching Sample
音声のみ。本場インド方式・フレーズごとに耳で聞いて覚えるスタイル。独特の抑揚のきいた節回しが学習の助けになります。女性の声。約70分。
まとめ:ヨガの勉強に、気軽にチャンティングを取り入れてみて
いかがでしたか?
今日は、「ヨガ八支則」をチャンティング、つまり詠唱で覚える方法や、おススメの本・音源を紹介しました。
コロナ禍は、自宅学習のチャンスでもあります。
ヨガ哲学を学ぶなら、まずは『ヨーガスートラ』から。
私たち日本人ヨガ指導者が『ヨーガスートラ』を学ぶなら、まずは「ヨガ八支則」から。
「ヨガ八支則」をとっかかりとして、サンスクリット語のボキャブラリーを増やし、ご自分のヨガを深めましょう。
ぜひ気軽な気持ちで、サンスクリットでのチャンティングにトライしてみてくださいね。
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