ヨガ哲学が分かる学び方 「八支則」から始めるべき5つの理由

ヨガ哲学が分かる学び方 「八支則」から始めるべき5つの理由

ヨガインストラクター養成講座で習う、ヨガ哲学。
ヨガレッスンで、先生が紹介してくれる味わい深いヨガの教え。
癒される、励まされる、と感じると同時に、ちょっと難しいと思ったことはありませんか?

ヨガ哲学が難しく感じられるのは、古代インドの独特な思想が背景にあるからです。
現代の日本に暮らす私たちがヨガ哲学の本を読むと、知らない言葉、理解しづらい概念に戸惑ってしまうのです。

この記事では、ヨガ哲学に対してモヤモヤ感や苦手意識を抱いている人が、スッキリと自信をもって理解できる学び方、学びの優先順位を紹介していきます。

ヨガ哲学を日常に活かしたい人にも、ぜひ読んでもらいたいです。
ヨガの教えの本来の意味や内容をきちんと知っていることで、不安なくブレずに日常に活かすことができます。

もちろん、ヨガ哲学分野の知識を整理したいヨガインストラクターさんにも、おすすめの記事になっています。

ヨガ哲学の入門書は『ヨーガスートラ』

日本のヨガスタジオやヨガ教室、フィットネスクラブで行われているヨガを練習している人、指導しようとしている人がヨガ哲学を学ぶ場合、まずは『ヨーガスートラ(ヨーガ・スートラ)』から入るのがおすすめです。

『ヨーガスートラ』とは

『ヨーガスートラ』とは、インド思想の古典文献のひとつです。バラモン教の正統派六派哲学のうちのひとつ「ヨーガ学派」の根本経典で、195節の詩から構成されています。
紀元前3世紀頃から徐々に整った形になり、現在の形になったのは紀元後5世紀頃とされます。
編纂(へんさん)はパタンジャリとされます。

『ヨーガスートラ』を最初に学ぶ理由

『ヨーガスートラ』は、現代のヨガの練習につながるヨガの定義・目的が端的に記述されている最初の文献です。
「現代のヨガにつながる」という点で、狭義のヨーガの定義と目的が語られます。
したがって、ヨガスタジオやフィットネスクラブなどで現代的なヨガを練習している私たちにとって、ヨガ哲学の最初の一冊は、『ヨーガスートラ』がベストチョイスです。

『バガヴァッド・ギーター』は、ヨガ哲学なのか

ヨガ哲学として取り上げられる文献のひとつに『バガヴァッドギーター(バガヴァッド・ギーター)』があります。
『バガヴァッドギーター』とは、インドの大叙事詩『マハーバーラタ』の一部を構成する700編からなる詩です。
紀元後1世紀頃の成立とされ、あらゆるインド思想が折衷・凝縮された、インド人の生き方指南書で、ヒンドゥー教のバイブル的存在です。

『バガヴァッドギーター』においても、ヨーガの定義が登場します。
しかし、ここでのヨーガは、今も昔もインドの人々が心の拠り所とする「道徳」、歩むべき「道」を意味します。
『バガヴァッドギーター』のヨーガの定義は、『ヨーガスートラ』よりも広い意味、つまり広義のヨーガとなります。

「ウパニシャッド」は、ヨガ哲学なのか

ヨガ哲学として取り上げられる文献に、「ウパニシャッド」があります。
「ウパニシャッド」とは、古代インドで紀元前5世紀頃から記された哲学書の総称です。
ひとつの文献ではなくて、多数あります。
テーマは梵我一如、輪廻転生、解脱などで、今に伝わるインド思想の源泉、ルーツとなっています。
また、『ヨーガスートラ』のヨーガにつながる記述も見られます。

したがって、ヨガ哲学を学びたい人が「ウパニシャッド」を読む場合は、ヨーガのルーツの確認として、関連の記述を見ていくとよいでしょう。

『ヨーガスートラ』の重要トピックが、ヨガ八支則

ヨガ哲学を学びたい人が最初に読むべき一冊は『ヨーガスートラ』です。
第1章1節から順番に読んで理解できる人はそのまま学んでいきましょう。
第1章3節以降、どうもピンとこないという人は、重要トピックである「ヨガ八支則」のパートから学んでいきましょう。

ヨガ八支則とは

ヨガ八支則とはアシュターンガ・ヨーガとも呼ばれます。
サマーディという深い瞑想状態に入るための、8部門からなる実践方法です。

その8部門とは、以下の通りです。

  1. ヤマ(禁戒)
  2. ニヤマ(勧戒)
  3. アーサナ(坐法)
  4. プラーナーヤーマ(呼吸法)
  5. プラッティヤーハーラ(感覚の制御)
  6. ダーラナー(集中)
  7. ディヤーナ(瞑想)
  8. サマーディ(瞑想の深まり)

ヨガ八支則については、『ヨーガスートラ』第2章28節から第3章8節に記述されています。

何故ヨガ八支則から学ぶべきなのか

私が、『ヨーガスートラ』のなかでもヨガ八支則から学ぶのをおすすめする理由は5つです。

第1に、ヨガ八支則は、現代ヨガの練習のひな型になっているからです。
アーサナによる運動とリラクセーション、呼吸、瞑想を組み合わせたヨガは統合ヨーガと呼ばれ、身体と精神へのポジティブな作用があり、医療・学術分野で評価されています。

第2に、ヨガ八支則はヨガのアイデンティティのひとつだからです。
ヨガ八支則は、ヨガの最もヨガらしいトピックです。
ヨガを練習するとはどういうことなのかを、力強くシンプルに表現しています。

第3に、ヨガ八支則というヨガ実践システムは、インド思想の知識がなくても理解しやすいからです。
詩節の形で展開される『ヨーガスートラ』は、全体像や因果関係がつかみにくいのですが、ヨガ八支則に関する記述は理路整然、スッキリしていて分かりやすいのです。

第4に、ヨガ八支則そのものは、ヨガ哲学の数々のトピックのなかでも、スピリチュアルな色合いが薄めだからです。
ヨガのスピリチュアルなアプローチが苦手、という人は、八支則から学ぶのがおすすめです。
ちなみに、「ウパニシャッド」の梵我一如、3つの体、5つの鞘、「ハタ・ヨーガ」のチャクラなどは、神秘的でスピリチュアルな色合い:「スピ度」高めのトピックとなっていますので、ヨガ哲学の初心者さんは要注意です。

第5に、ヨガ八支則には、ヨガの練習に役立つ情報が凝縮されているからです。
一例として、アーサナ(坐法)に関する『ヨーガスートラ』の記述を見てみましょう。

第2章46節
安定して安楽な姿勢が、アーサナである。

第2章47節
緊張をゆるめ、無限なるものに精神統一する。

第2章48節
アーサナの習得によって、対立するものに悩まなくなる。

ヨガのポーズ、つまりアーサナは、無理して苦しい姿勢をするものではありません。
『ヨーガスートラ』は、ご自分のアーサナが適切かどうかのチェックポイントを教えてくれます。

ヨガ八支則の関連用語や論理を整理しよう

ヨガ哲学が難しいと感じている人や、ヨガ哲学の初心者さんが、ヨガ八支則を最初に学んでいくと理解しやすい理由が分かっていただけたかと思います。

さらに、ヨガ八支則を学んでいくのと同時に、

  • 何故、ヨガ八支則で実践していくと良いのか。
  • ヨガ八支則以外に、ヨガ実践の目的達成の方法はあるのか。
  • ヨガ八支則は順番に実践していかなくてはいけないのか。

こういった、ヨガ八支則に関連するトピックも、併せて理解していきたいですね。
なぜならば、ヨガの実践は主体的なもの。
誰かに言われるから、褒められたいからやるのではなく、自分のために自らすすんでやるものです。
伝統を尊重しつつも、自分に合うやり方、心地よいヨガの活かし方を見つけていくのが理想的です。
そのためには、『ヨーガスートラ』を元にしつつ、自分で考えて検証していく姿勢が大切です。

ヨガ哲学は、分かりやすく、楽しく学ぶ

いかがでしたか?
今回は、ヨガ哲学を分かりやすく学びたい人におすすめの学習順序と、その理由についてお伝えしました。
道筋をつけて、大切なことから学ぶことで、ヨガ哲学はシンプルに心に入ってきます。

これからは楽しく学んで、ご自身の幸せに役立てていきましょう!

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参考資料

  • 『やさしく学ぶヨガ哲学 ヨーガスートラ』 向井田みお アンダーザライト (2015)
  • 『インド人の考えたこと-インド哲学思想史講義』 宮本啓一 春秋社 (2008)
  • 『南アジア史1-先史・古代-』 山崎元一・小西 正捷 山川出版社 (2007)
  • 『ヨーガとサーンキヤの思想』 中村元 春秋社 (1996)
  • 『解説ヨーガ・スートラ』 佐保田鶴治 平川出版社 (1983)

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