国際ヨガの日とは? 今知っておくべき本家インドのヨガ事情

6月21日は、2023年の夏至。そして国際ヨガの日(International Yoga Day)です。

国際ヨガの日は、インドの提案により、国連で正式に決まったヨガとヨガの関連情報普及のための記念日。
日本でも徐々にメジャーになってきたこの国際ヨガの日とは何でしょう?
そして、提唱国、ヨガの故郷インドのヨガ事情はどのようになっているのでしょうか。

この記事では、ヨガに関わる人が知っておくべき国際ヨガの日とインドでヨーガを管轄する政府機関AYUSH省と、インド政府公認ヨーガ検定の情報などをお届けします。

ヨガインストラクターさん、今後ヨガを深めていきたい人におすすめの記事になっています。

International Yoga Day(国際ヨガの日)とは

国際ヨガの日(International Yoga Day)は、2014年、国連にてインドのナレンドラ・モディ首相によって提案され、採択されました。

その趣旨は、
「ヨガは健康への全体的な取り組みで、その情報の普及は世界の人々の健康にとって有益です。
6月21日をヨガの国際デーとし、加盟各国は各々適したやり方でこの日を祝いましょう。」
というものです。

その翌年、2015年6月21日に、第1回 国際ヨガの日を迎えました。
インドの首都ニューデリーでは、ギネス記録を目指し数万人で一斉にヨーガを行い、先頭でモディ首相も一緒にヨーガを行じ、世界にインパクトを与えました。

この時のプログラムが ”Common Yoga Protocol”。
インド政府公認の「ヨーガ標準シークエンス」です。

2023年度版の ”Common Yoga Protocol” の冊子が、モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNYI)
から発行されています。
こちらから、PDFでダウンロードできます

冊子のビジュアルデザインも年々進化しており、インドのヨガ政策への予算のつけ方、本気度が伺えます。

ヨーガ政策を主導するインド政府 AYUSH省とは

この国際ヨガの日をインド国内で主導するのが、インド政府の省庁 Ministry of AYUSH(アーユシュ省)です。

AYUSH省とは、インドの伝統的な補完代替医療を対象とした省庁です。

Ayurveda(アーユルヴェーダ)、Yoga & Naturopathy(ヨーガと自然療法)、Unani(ユナニ)、Siddha(シッダ)、Homeopathy(ホメオパシー)を対象分野とし、医療へのアクセスが難しいインドの人々の健康・予防医療を目的とし、これらの分野の研究開発や、規制・保護、品質管理などを行います。

2014年に組織改編があり、保健・家庭福祉省内のいち部局から、AYUSH省として独立しました。

国際ヨガの日のイベントは、ソーシャルメディアでキャンペーンを行うなど、AYUSH省をあげて盛り上げます。

2022年の国際ヨガの日のイベントの様子が、モラルジ・デサイ国立ヨーガ研究所(MDNYI)  が配信するYouTubeで視聴できます。

International Day of Yoga 2022: Common Yoga Protocol Video (ENGLISH)
https://www.youtube.com/watch?v=yKozvkcVa3k

また、AYUSH省はWHOと協同で「WHO mYOGA」というヨガ練習アプリもリリースしています。

WHO(World Health Organization/世界保健機関)といえば、世界じゅうすべての人々の健康を増進し保護するため、互いに他の国々と協力する目的で設立された機関。
WHO憲章における「健康」の定義は、あまりにも有名です。
194の国と地域が加盟し、国際的な医療・保健のガイドラインなどを策定しています。

インド政府公認のヨーガ検定は、インド国内ではリアル資格

さて、第1回国際ヨガの日が開催された2015年、インドではヨーガ検定がスタートしました。

このヨーガ検定は、AYUSH省の管轄下におかれた、ヨーガの専門職養成・管理のための機関 Yoga Certification Board (YCB/ヨーガ検定委員会) が管理しています。

このヨーガ検定に関して、2017年、あの片岡鶴太郎さんが日本のインド大使館の試験に合格したニュースを覚えていますか?

実はあの試験、RYT200を修了したような知識だけでは通用せず、きちんと「インドのヨーガ」の共通教材で体系的に勉強し対策しておかないと、合格は難しいといわれます。

日本で「ヨガの資格」といえば、ヨガアライアンスですが、それはあくまで民間の認定。
インドのヨーガ検定は、AYUSH省による公的な、名実ともに「資格」。

インドで公的にヨガの先生を職業にするには、必ずヨーガ検定をパスしなくてはいけないのです。

ヨーガの歴史認識も、インド国内では共通に

インドにおけるヨーガの歴史認識も、集約されてきたといわれますす。
インド人によるインド人のためのヨガの歴史、その内容はドキュメンタリー『History of Yoga』にあらわれているといわれます。

英語で広告が入りますが、完成度の高い映像資料ですので、ヨガの先生を目指す人は視聴して欲しいです。

まとめ:国際ヨガの日とともに、インドのヨガ動向は注目

インドはヨガの本家本元として、欧米で多様化し、ヨガの本来の在り方が失なわれてゆく状態に危機感を抱き、これまで各々別個に活動していた国内のヨーガ団体の方向性をまとめました。

そして、ヨーガの専門家・研究者・各機関・団体の代表によってヨガの知識が整理・統合されました。

国家事業として、無宗教化、規格化、標準化を行い、教育機関の整備、指導者の資格化を着々と進めてきました。

こうして、インドにおいて、ヨーガの「表」の顔は、統一されました。

驚くべきことに、日本でも超有名な、〇〇〇・ヨガ、〇〇・ヨーガといった流派は、インド本国においては傍流に甘んじるほかない状態だとか…。

ヨガにおいて存在感を示そうと、インドは国内だけでなく、世界に目を向けています。
それに対して、ヨガアライアンス、ヨガメディア、ヨガティーチャー達はどう動くのか…?
今後の動向に注目ですね。

インドのヨガ業界情報はここからチェック

インドのヨーガ事情が日本語でリアルタイムにチェックできるページがありますので、シェアします。

本日はこれにて。

心温まるヨガの学びを…

それでは、次回の記事をお楽しみに…!

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