妊婦さんも一緒のヨガレッスン・混合クラス指導の極意とは?

妊婦さんと一緒のヨガクラスの指導方法は?

リラックスヨガのクラスに、妊婦さん参加OK・マタニティ可などとする「混合クラス」をよく見かけます。
妊娠中も働く女性が増え、またコロナ禍にあり、マタニティヨガのクラスが成立しづらい事情もあるのでしょう。

リラックス系レッスンを担当しているヨガインストラクターなら、今のクラスがいつ「妊婦さん参加可」になってもおかしくはありません。
また、あなたの生徒さんが、将来妊娠され、継続受講を希望なさるかもしれません。

では、その備えとしてマタニティヨガ指導資格を取得するとなると、どうでしょうか。
もちろん、マタニティヨガのトレーニングを積んでいるほうが望ましいです。
しかし、その混合クラスだけのために、新たにマタニティヨガ指導者養成講座を受講するのは、コストの面で実際的ではありません。

要は、あなたが、今もっている指導スキルを生かして混合グループレッスンで安全に指導できればよいのです。

私は、2012年からマタニティヨガを指導し、マタニティヨガや混合クラスを数多く担当しました。
お子様連れママヨガに妊婦さんをお迎えする難易度高めの混合クラスも、4年半こなしてきました。
指導歴が10年を超えアラフィフとなった今、「次世代のヨガインストラクターさんに失敗も成功も含めた経験を伝え、幸せにヨガの仕事を続けてもらいたい」と願うようになりました。

今日は、妊婦さんと一般の方の混合ヨガクラスを指導する際に注意すべきことを、惜しみなく伝えます!

今後、混合クラスを担当したい、指導の幅を広げたいヨガインストラクターさん必読の記事です。
今すでに担当している人も、何か参考になれば嬉しいです。

妊婦さんのレッスン参加ルールを確認

妊婦さんとの混合ヨガクラスでは、妊娠中の参加ルールを確認しましょう

多くのスタジオでは、妊婦さんは安定期に入って主治医の許可がとれてからクラスに参加するよう、ルールを定めています。
これは指導者・参加者双方の安心安全のためのルールになります。
私は、16週以降から参加OKにしています。
まずはルールを確認し、妊婦さんに協力してもらいましょう。

妊娠中の女性が参加できるヨガクラスのレベルは、初心者~初級、リラックス系です。
運動量が多い一般のグループレッスンに妊婦さんをお迎えするのは、安全面でリスクが高くなるのでやめましょう。

クラス案内には「妊婦さん参加可レッスンです」など、あらかじめ妊婦さんが参加する可能性があることを告知しておきます。

全員が楽しめるレッスンコンセプトを

妊婦さん混合クラスは、全員に満足してもらえる公平なクラスを目指します

混合クラスであっても、参加者全員に満足してもらえるクラスを目指しましょう!

お客様は、自分を特別扱いして欲しいという気持ちはありつつも、あからさまな特別待遇は嫌います。
また、自分だけが取り残される気分になるのも、嫌なものです。

妊婦さんの安全を確保しつつも、公平に。
全員が楽しめるクラスをクリエイトしていきましょう。
言い換えれば、いかに妊婦さんだけを特別扱いせずに、クラスを成立させるかを考えるということになります。

まず、妊婦さんと一般の方が共通して「あなたのヨガクラスに期待していることは何か」を考えることから始めてください。
共通ニーズをすくい出し、レッスンプランを練りましょう。

妊婦さんにも安全なシークエンスをつくる

妊婦さんにも安全なヨガのシークエンスを作りましょう

レッスンテーマが決まったら、シークエンス構成です。
妊娠中のヨガ禁忌を守り、シークエンス(順番や時間配分)を組み立てます。

妊婦さんがいらした日は、禁忌ポーズは指導しない、もしくは修正バージョンを提示します。
幸い、アーサナはたくさん種類があるので、全員を満足させるシークエンスを作ることは可能です。

ただし、妊婦さんが妊娠後期に入ってくると、全員が全て同じアーサナを練習するというわけにはいかなくなりますので、要注意です。

妊娠中のヨガにおける禁忌事項

  • 腹部を圧迫しない
  • 腹部に力を入れない
  • 腹部を伸ばしすぎない

具体的には、妊娠段階にもよりますが、

  • 強いツイスト
  • 強い後屈
  • 長すぎるストレッチ
  • 腹筋収縮
  • うつぶせ

にあたるポーズは避けます。

流れの良いティーチングを心がける

妊婦さん参加OKの混合クラスでは、流れのよいティーチングを心がけて

実際のクラスでは、普段から生徒さんの心身の個性に配慮して誘導します。
「気持ち良くないと感じたポーズは休むように」
「休みたくなったら、いつでも休んでいいですよ」
など、全員が安心して休みやすい雰囲気になるよう、はたらきかけておきます。

そして、妊婦さんがいらした日は、
「今日はゆっくり動いてみて、感じ方の違いを味わってみましょう。」など、全員で取り組めるテーマを提案します。
さらに「あえてゆっくり動くことで、いつもと違う筋肉が刺激されます。」など、取り組むメリットを伝えます。

下記の「妊娠中の女性へのヨガ指導で特に配慮すること」を参考に、待ち合わせタイムを設けるなどして、ゆとりある進行を心がけます。

修正ポーズやバリエーションは、妊婦さんにだけではなく、一般の方にも提示します。
座位と立位の脚幅の選択肢などは、どの人にとっても自分なりの快適さを見つける助けになります。

妊婦さんだけに全く別のポーズを提示するのは、非常に難易度が高いです。
クラス進行の流れが途切れてしまいがちです。
ただし、何度も通っていただいて、指導者と妊婦さん、妊婦さんと他の生徒さんの間で信頼関係が築けていれば、可能です。

妊娠中の女性へのヨガ指導で特に配慮すること

  • 腹部が大きくバランスがとりづらい(転倒に注意する)
  • 立つ・座るなど動作がゆっくり
  • 心拍数が上がりやすい
  • 仰向けが苦手
  • 気持ち良くないポーズがある

まとめ:公平・安心・流れ良し!みんなに優しいクラスを

マタニティ参加可の混合ヨガクラスは
公平で安心、流れの良い指導を心がけましょう

一般ヨガクラスに妊婦さんがいらして、混合クラスになったとしても、参加者全員を満足させることは可能です。
妊娠はその女性の個性と捉え配慮し、誰一人取り残さないつもりでクラスを作り、スムーズに進行させましょう。

そこでは、妊婦さんと一般の人がヨガに期待すること、ニーズの共通点を見出して、レッスンプランを練ることがポイントとなります。

混合クラスは、指導者と参加者双方にメリットがあります。
まず、妊婦さんは目的意識がはっきりしていて、非常に熱心にヨガに取り組むため、クラスが良い雰囲気になります。
一方、一般の生徒さんは、ポーズのバリエーションが学べ、自分の体調に合わせて調整できるようになり、ヨガ実践に習熟していきます。

また、指導者は、カラダが硬い人・大きな人、運動が苦手な人への配慮など、指導の引出しがグンと増えます。
そしてどんなお客様がいらしても、優しさと自信をもって指導できる先生へと成長できます。

もしも、妊婦さんと一般の方の混合クラスの担当機会が来たら、ぜひ前向きにとらえてみてください。

より実践的に混合クラスへの準備したいという人は、当教室で指導者継続教育をご利用ください。
講師はヨガアライアンス継続教育提供者YACEPです。
受講時間をアライアンス更新要件のトレーニング時間に追加できます。
リクエストに応じ、あなたのニーズに沿ったカリキュラムをオンラインで提供します。

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